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停滞期にも詰棋書

1828 文政11『象戯童翫集』和中   100番
 〃  〃 『口伝詰将棋』三国城作  54番
1836 天保7『将棋玉図』 (桑原君仲) 100番
1838 天保9『象戯解頤』 赤池嘉吉編 50番
1841 天保12『風流図式』  ?    36番
1849 嘉永2『将棋極妙』 (桑原君仲) 100番
1858 安政5『将棋精妙』 (二代宗印) 100番
1866 慶応2『まつよひ』 渡瀬荘次郎 51番
1869 明治2『待宵後集』   〃   50番
1877 明治10『将棊貫珠』 河村古仙  50番
    

★他に再刊本、袖珍本も多数あり

7.停滞期(1) 停滞期にも詰棋書

このあと、寛政11 年(1799)に九世名人に就位した大橋別家の六代宗英は棋力は抜群であったが、何故か図式を献上しなかった。 それ以来、家元の図式献上のしきたりが途絶え、詰将棋の創作は衰退してゆく。

しかし、文化・文政の時代には、ここに掲げた詰将棋の他にも、昔の図式の再刊本などの出版は盛んにおこなわれている。 とくに袖珍本と言われる、現在の文庫本のような軽便な作品集も多く出ており、広く庶民へ浸透していった時代ということができよう。

また、三国城作や渡瀬荘次郎のような民間の将棋指しが、初心者むきに駒数の少ない軽快作を集めたり、ときには古作の改良などもして、普及に役だっている。