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詰将棋の誕生

興福寺の出土駒


詰将棋がこの世に生まれたのはいつの時代だろうか?
それを明らかにする史料はない。
将棋がいつ、どこから伝来したのか、
あるいは我が国で発生したものなのかについてすら
未だに定説がないのである。
しかし、奈良の興福寺の遺構で発見された駒から、11世紀には将棋が存在したのは明らかである。

12世紀になると、公家や僧侶の間で将棋が指されていたことが当時の日記に見られる。

詰将棋に関する記述が初めて登場するのは、権中納言 山科言経の『言経卿記』である。 それには、慶長7年(1602)12月3日に将棋指しの大橋宗桂が五十局の詰将棋集を持参し、これを7日に後陽成天皇に献上したとある。

これをもって詰将棋の誕生とすれば、 今年、平成14年(2002)はこの慶長7年から数えてちょうど400年に当たる。