中将棋のルール
中将棋のルールは以下の通りです。
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盤面
縦12格、横12格、総格144格の盤面を使う。
盤面上、それぞれの差し手から見て手前の四段を「自陣(自分の陣地)」、向こう四段を「敵陣(敵の陣地)」という。
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駒
21種(29様)92枚の駒を使う(現代の将棋では8種40枚)。
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駒を取る
駒を進めたいマス目に敵の駒がある時は、その敵駒を取り除いてから進む。これを「駒を取る」または「駒を食べる」という。自分の駒は取ることができぬ。
相手から取った駒はそのまま取り捨てにする。現代将棋のように自分の駒として打つことはできぬ。
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成・不成
以下のいずれかの条件を満たした時は、指し進めた駒を裏返しにして能力を上げることができる。これを「成る」という。
- 敵陣の外(つまり手前八段)にある駒を、敵陣内へ移動させたとき。
- 敵陣内にある駒(ただし歩兵は除く)で、敵の駒を取ったとき。
- 歩兵が一番奥の段までたどり着いたとき。
「成り」は移動完了後に行う。即ち二歩移動できる駒(獅子・飛鷲・角鷹)が、一歩目の移動と二歩目の移動との間に成ることはできぬ。
また一度成った駒が再度ひっくり返って表の姿に戻ることはできぬ。
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勝ち負け
現代将棋同様、相手の王(玉)を詰めれば勝ち。
ただし中将棋には「醉象」という駒があり、この駒が成ると「太子」という、「玉」と同格の駒になる。こうなった場合、「玉」と「太子」両方を詰めねば勝ちとはならぬ。
現代将棋では相手の玉を本当に取ってしまうことは禁じられているが、中将棋では相手が王手に気づかぬ時、ひょいと玉を立てにして「失礼しました」と言えば勝ちになる。これを「突き落とし」という。
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その他
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現代将棋では次に指し手がなくなるような駒の動かし方(いわゆる“行かずの駒”)は禁じられているが、中将棋にはそのような規定はない。そのため指しようによっては、歩兵と香車は死に駒となることもある。
- お手つきは厳禁。駒をわずかでもマス目からはみ出させてしまったら、その駒は指し進めねばならぬ。
- 千日手は仕掛けた方が手を変えねばならぬ(昔の将棋の規定に同じ)。
- 盤面駒がれになり、玉二枚と成金一枚が残った時は成金のある方が勝ち。
最後の「駒がれ」について少し補足します。
上述の通り、中将棋は相手から取った駒を自分の駒として打つことができません。そのため終盤になると、激しい潰し合いの末、もはや相手を詰めるだけの手駒がないという状況に陥ることがありうるため、このような規定があるものと考えられています。
なお駒がれになってなおかつ上記の条件を満たしていぬ場合は、「持将棋(ひきわけ)」になります。
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