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最盛期の作品集

プロローグ 172? 享保?「将棋妙案」  久留島喜内  100番
 〃  〃 「橘仙貼壁」    〃 120→ 50番
1752 宝暦2『象戯秘曲集』 添田宗太夫  101番
クライマックス 1734 享保19『将棋無双』 F三代宗看   100番
1755 宝暦5『将棋図巧』 ◎伊藤看寿   100番
エピローグ 1765 明和2『将棋大綱』  八代宗桂   100番
1784 天明4『象戯攻格』 I徳川家治   100番
1786 天明6『将棋舞玉』 G九代宗桂   100番
1792 寛政4『新奇正図』  桑原君仲   100番
     (=将棋玉図)

17世紀の初めに生まれた詰将棋が、草創期から興隆期を経て18世紀に入り、 享保時代になると、いよいよ最盛期を迎える。

「将棋妙案」と「橘仙貼壁」は刊本が遺っていないが、和算家だった久留島喜内の作品を弟子が纏めたもので、重複を省くと150局ある。 数学史の方から推測して、これらは享保15年以前の作であろう。 いずれも難しさよりも楽しさを追求した作品ばかりで、それまでの詰将棋とはがらりと趣が違っている。

炙り出し曲詰ばかりの『象戯秘曲集』も出版されたのは宝暦2年であるが、添田宗太夫の活躍時期から見て、最盛期の幕開けに位置づけておく。