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目次
贈名人
伊藤看寿
(1719〜1760)


★飛鋸趣向(85手詰)
5.最盛期(クライマックス)
(9) 図巧43番


この43番では世にも珍しい飛鋸が現れる。

1八角と据え、二枚の角の利きを利用して10手目から2七飛・・・3七飛・・・と空き王手をしながら飛車が玉に近づき、6五銀、同香と捨てておいて、再び飛鋸で2八まで戻って来る。 その意味が判るのは61手目。 7四銀が消えているので5四歩が打てるのである。

この作品が素晴らしいのは、そのカラクリだけでなく、それを実現した舞台や大駒を全て捌ききって収束するところ。その美意識が解いた人の心を打つのである。 傑作揃いの 「図巧」 の中でも指折りの名作である。