手順
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目次
贈名人
伊藤看寿
(1719〜1760)


★供連れ送り「夏木立」(73手詰)
5.最盛期(クライマックス)
(11) 図巧10番


もう一つ、「夏木立」 と名付けられた趣向作がある。 この10番がそれ。

18手の序奏のあと、3七桂跳びから趣向手順が始まる。3七同龍と取らせて3六歩と突っ込むと、これは玉でも龍でも取れない。 続いて4六桂、同龍、4五金・・・と玉方の龍を呼び寄せながら金の単騎追いが繰り返される。

それまでの追い趣向には見られないスリルに富んだ斬新な手順である。

その後も、もう一往復、龍と金による斜め追いが行われ、舞台の駒の殆どが片づけられて詰み上がる。見事な構成の秀作である。