獅子の特殊ルール


中将棋最強の駒といわれる「獅子」には、以下のような特殊規定があります。

  1. 獅子が取られたら、その直後の手番だけは相手の獅子を取ることができぬ。これを「先獅子(せんしし)」という。
    ただし、獅子で獅子が取られたときは先獅子にならぬ。

  2. 味方の獅子が別の味方の駒の利きに入っていることを、中将棋では「獅子につなぎ駒がある」という。
    そして、つなぎ駒のない獅子は獅子で取っても良いが、つなぎ駒のある獅子は獅子で取ってはならぬ。ただしこれには二つだけ例外があり、以下のどちらかの場合だけはつなぎ駒のある獅子でも獅子で取ることができる。

    1. 敵味方の獅子が隣接している局面。

    2. 【歩兵・仲人以外の敵駒】と、その隣にある【つなぎ駒のついた敵獅子】とを、一手で二枚続けざまに取るとき。

    なお原則として、直接味方の獅子に利いている駒でなければ「つなぎ駒」にはなれぬが、飛車角のように何目でも進める駒は、敵獅子の背後からでも味方の獅子のつなぎ駒となれる。これを「カゲのつなぎ」という(下図参照)。

    (参考図)つなぎ駒とカゲのつなぎ
    獅子かげの足の圖
    1三の飛車は後手獅子のつなぎ駒。そして2六の角行は先手獅子のカゲのつなぎ。
    敵味方双方の獅子につなぎ駒があり、かつ隣り合わせにもなっていないので、この局面先手後手とも獅子で獅子を取ることはできぬ。


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